『つよすぎる感受性ゆえに、人は心を病むのだろうか...』
いったい...彼らはなにを語っているのだろうか。
これが、精神を病んだ人間の語りなのだろうか...
カメラを前に、
子どもを死なせてしまったことを、かみしめながら語る女性。
服用している薬ひとつひとつについて説明しながら、
「これは、人が飲む量じゃありません」、と語る女性。
...
「この先生は、自分ひとりのために名古屋まで来てくれた」、と語る男性。
だから、...
「私が頼れるのは、この先生しかいない」...、ではないのです。
「私は、この先生に恩がある」...、なのです。
この言葉は、自分の足でしっかり立っている人間からしかでてこないんです。
カメラの前に出られる状態、語れる状態だった...、たしかにそのとおりです。
しかし、この状態が『ある』のです。まちがいなく、ここに『ある』のです。
...レビュー?
私のレビューよりも、特典映像の中で 彼らが語る言葉...
これを上まわるレビューは、書き得ないでしょう。
あえて、レビューを続けるとしたら... あと、ふたつ。
特典映像の想田監督の言葉。
「昨日(試写会を)観ていただいた方も、途中で帰られた方も、こられなかった方も
いらっしゃいます。<それぞれ>の方から、感想を聴かせていただけたらと思います」
この問いかけは、なにげなくやその場の雰囲気からは、出てこないんです。
この問いかけの深さを、感じてください。
もうひとつは、
特典映像で、山本先生が健常者の若者の相談に応えた言葉です。
・相手がどう思うかよりも、あなた自身がどうしたいのかです。
・3+3=7になってしまう。それはおかしい、それはまちがっている...ではなく、
どうしてそうなるのかを、その人に聴いてみることです。
この言葉もまた、とてもとても深いのです。
健常者とは、なに者のことなのか?
正気とは?、狂気とは?
しっかりと『人間』と向き合わせてくれる、ずっしりした 観察映画 です。