『痒いところにことごとく手が届かない』
歌は少ない、楽曲自体も世界観に比べ薄い(冒頭とスタッフロールで流れるインスト曲はいいけど)。セットは安っぽい。衣装も一部を除いて、もひとつ舞台映えするものではない……こんな感想が出るのも、原作が「黒執事」だからこそなのだと思う。舞台から、全く黒執事の持ち味の強い煌めきと底知れない暗闇が見えない。19世紀の貴族の光と闇を描くには予算が足らなかったか。手短に言えば、出てくるものがいちいち豪華な黒執事にしちゃ地味すぎた。
もうひとつの持ち味の、ともすれば突拍子もなくある「笑い」に関しては上々だと思う。
しかし、途中の大喜利コーナーで葬儀屋役の役者が完全に地に戻っていたのはいただけなかった。せめて一人称くらいは守って欲しい。
あと、キャラクターのうちの一人の、ホラーな存在に対する反応が原作と逆だったのは…原作でもかなり最近に出た設定だから仕方がないか。
複数の登場人物による、様々な(武器ではない)得物のアクションは見どころ。