『帰る場所は、いたる所に。』
ライブ当日は15周年記念アルバム発売日、そして何よりご本人のお誕生日でもあったわけですが、
そんな、これ以上ないくらいのスペシャルな日のライブにふさわしい楽曲が、懐かしいものから
新しいものまで、本当に惜しみなく、たくさん演奏されました。

そして、その合間、合間に入る、可愛らしくて、ちょっとオトコマエ?なMC。
前回よりリラックスしたような感じで、楽しげに、でもひとつひとつ想いを確かめるように
話をする真綾さんは、やっぱりあらゆることに対して、真面目で、真剣でした。

歌うたびに洗練されて、透明度や魅力が増す理由を考えていたけど、それはいつも至る所に
アンテナを張り巡らせて、色々なことを考えて、"ちゃんと触って"いるからなんだと。
だからどんどん魅力的になるし、聴いてるこちら側も元気になれるんだなーと感じたときに、
改めて、ずっとこの人の歌を、音楽を聴いていたくなりました。
しっとりとピアノで弾き語ってくれた初のご本人自作曲のエピソードも、とても興味深く、
楽曲とともに、必聴です。

また、映像、サウンド、ミュージシャンの皆さん方もそれぞれが本当に素晴らしかったですが、
個人的に特に注目したのが、コーラスでしょうか。

前回のライブDVDではコーラスがいなくて、MIXも勿体ない状態だったので、真綾さんの歌声も
ちょっと頼りなげに感じましたが、今回は真綾さんの声に、驚くほど相性のいいコーラスの方
2人がいて、楽曲の再現度が非常に高くなっていると感じました。
本当の意味で、本領発揮、という感じです。
ミュージシャンの皆さん方がニコニコしながら楽しそうに演奏する姿も、見ていて和みますね。

また、Drumsの佐野康夫さんによる、思いがけないスペシャルなイベントも堪能できましたし、
「風待ちジェット」や「さいごの果実」他、さまざまな素晴らしい楽曲を提供されている
鈴木祥子さんも、スペシャルゲストで登場、セッションがまた、素晴らしかったです。

そして、なによりと言いますか、古くからのファンにとっては特に感慨深く、なにより嬉しい、
菅野さんと真綾さんのセッション。これには、思わず涙が出ました。

現在の真綾さんの音楽も当然大好き！だけど、なんというかそれとはまた違う次元というか、
なんだか、おかえりなさい、と言いたくなるような感覚でした。

出会いにも、音楽にも、この上なく恵まれているのは、様々な努力も多大にあるのでしょうが、
やはり、ご本人自体がそれだけの潜在能力とか、魅力を備えているから、なのかなと思います。

また、前述したように、前回の「かぜよみ」DVDではMIXがどうもイマイチで、声が埋もれたり、
惜しい、勿体ない！って思う所がたくさんありましたが、今回は菅野作品、菅野×坂本タッグの
時代の楽曲に欠かせない敏腕エンジニア・薮原正史氏によるMIXのおかげか、非常に聴きやすい
音になっており、その響き方に感動しました。

もちろん、BD自体の品質や、視聴環境に依存するところもあるかもしれません。

ただ、さすが今まで、真綾さんの声、そして、素晴らしいミュージシャン方の音を、生き生きと
聴かせてくれてた職人の方だけあって、歌声がハッキリ聴こえるのは勿論、各パートの楽器毎に
しっかりと違和感なく音が分かれて、バランス良く聴こえる素晴らしい音質で、終始、安心して
ライブの模様を楽しむことができました。
（色々と言いましたが前回の「かぜよみ」ライブも、私には宝物です）

映像特典も、"おまけ"ではなくて、本当の意味で特典です。実際にご覧いただければわかるかと^^

本当に隅から隅まですべてが見どころであり、逐一挙げられないほど何から何までスペシャルで、
もはやなにがスペシャルなのか分からなくなるほどに夢中になって見た、胸がいっぱいになる
素晴らしいライブでした。