外壁塗料の選び方

ア ク リ ル (5~7年)

アクリル塗装は昭和の時代、一般住宅のリフォームでは外壁塗料としては主流で使われていましたが近年ではほぼほぼ使われることがなくなってしまいました。現在の塗料では一番低いランクの塗料ですが使い方によっては好まれる塗料です。

平米単価のコスパが良い、ツヤ・発色が良い、豊富な色がある、一液型の塗料なので希釈(水や溶媒を加え薄める事)することがないので手間が掛からない。下地との密着性が良いので重ね塗りしやすいなどの点があげられます。

但し、デメリットな点は塗膜の劣化が早い、おおよそ5~7年くらいで酸化還元が起こりやすくなってメンテナンスする手間が掛かる。塗り替え時、以前の塗膜をケレン(旧塗料を落とす作業)して取り除いてから塗る。塗膜が硬いのでヒビが入りやすく建築物には不向きな紫外線や酸性雨などに弱いです。
ならば、アクリル塗料はむしろ家具や木製品などの塗料に最適で日曜大工のDIYに気軽に取り扱う事ができホームセンターなどでも一般的に少量の塗料で買うことができます。

しかし、近年では品質改良が進み進化形のアクリルシリコン樹脂塗料が開発されてからは一段とグレートアップしました。もともとのシリコンと違いはアクリルにシリコンを反応させて作った塗料なのでこの樹脂塗料の特徴はフッ素樹脂塗料には及ばないですが他の塗料に比べて耐用年数は長く耐候性が優れ下地素材に対する付着力・艶の保持力もあり耐汚性、耐水性からして性能はフッ素樹脂にも引けを取りません。

アクリルシリコン樹脂塗料には、水溶性・溶剤系の二種類あるので建物の外壁材によって使い分けをします。最近ではどちらかと言うと環境に優しく費用対効果のある水性アクリルシリコン樹脂が好まれています。

ウ レ タ ン (8~10年)

ひと昔はウレタン塗装が一般的な時代がありましたが現在では陸屋根やベランダの防水塗料とか雨樋や破風板塗装などに使われることはあります。
もし外壁として使用するならポリオールと軟化剤を組み合わせた塗料でポリウレタン樹脂を使用しますが最近ではアクリルウレタン樹脂を使用しています。軟化剤は無黄変性である樹脂系のポリイソシアネートが使用され下地との密着性があり塗膜が柔らかいので耐候性があり仕上がりの外観にも優れています。

シ リ コ ン (10~15年)

戸建て住宅の塗替え塗料の7~8割を占めるシリコンは平米単価の価格と耐久性(耐久年数)が比較的に他の塗料に比べて良く職人のあいだでも人気があり支持する業者も多いです。
おおよそこの塗料の耐久年数が12~15年なので普通のアクリル塗装の持ちが2~3倍の違いがあるようです。

シリコンの特徴としては施工後の壁が汚れにくく耐候性が高く色の調合により色を豊富に造れ艶の状態を艶消し、3分艶、5分艶、7分艶と調整ができます。なかには遮熱機能の材料もあるので塗装会社もお客様へお勧めしやすい塗料かと思われます。

ただし、シリコン塗装でもグレードがあり耐久性が低いモノもあります。メーカー側では耐久年数が10~15年だと一般には言われますが立地条件や気象変動にも左右されますので10年間色があせないなど劣化しないなどほぼありません。メーカー側の保証は付きませんが塗装業者独自の品質や施工保証を付けるところがあります。約5年ぐらいが一般です。もし、10年の保証が付けてほしいのであればフッ素塗料などのハイグレードな塗装をお勧めします。
初めての外壁塗装であればシリコン系のモノがスタンダードだと思います。

フ ッ 素 (15~20年)

シリコンの上を行くグレードのフッ素塗料は平米単価も高いだけあって耐久性も高いのが特徴です。
フッ素樹脂の原料は蛍石(ほたるいし)と言う珍しい石からできています。
この蛍石に硫酸を反応させるとふっ酸というモノができふっ酸とクロロホルムを反応させたモノを熱分解して原料が出来上がります。

・低汚染性
非粘着性に優れ汚れをひきやすく汚れがつきにくくてカビや藻を防ぐ効果にも優れてます。

・低摩耗性
光沢の保持を高めて長年経っても綺麗な外壁を維持できます。汚れなど雨水が汚れの下に入り込み汚れを浮き上がらせそのまま流れ落とすことができます。

・耐候性
外壁は長期間、紫外線や風雨にさらされても耐久性に優れおおよそ15~20年くらいの耐久年数があると言われてます。

しかし、フッ素でもデメリットな事はいくつかあります。一般的には平米単価の塗りコストが高い。
あまりにも劣化している壁に塗装すると塗膜が硬いのでひび割れが起きてしまうので壁の状態を見て判断するなどフッ素塗料は艶があるので艶消し、マットを希望している人には不向きです。
フッ素塗料を使う場合はしっかりとした壁の下地処理(素地調整)ができる知識のある施工業者に依頼しましょう。

光 触 媒 (15~20年)

塗料の白色顔料の原料である酸化チタンが太陽光にあたると活性酸素を作り汚れを分解します。
塗膜が超親水状態という水を弾く状態になることにより雨が降った時に分解した汚れを洗い流します。
汚れを分解する効果により除菌効果、抗カビ、防藻効果もあります。簡単に言うと、汚れを浮かせて雨で流し汚れにくく外壁になるということです。ただし、土や砂などの無機質系の汚れは分解できません。

この塗料は塗るだけでも緑地と同じ空気浄化効果があり自然環境にも良い塗料と言われます。
デメリットな面もありますのでそのあたりは考える必要があります。塗装の平米単価が高い、塗料の中でも最も高いグレードでシリコン塗装と比べると焼く2倍ですが耐久年数としては20年で長く住まわれる方には次の塗装までの間隔が長く長い目で見ると安くなります。

意匠性としては色や艶の種類が少ないためこの塗料は白色顔料の酸化チタンが反応を起こすことで機能するため白色顔料があまり使われない濃い色の塗料はありません。
まだまだ、一般的には知名度が低く扱う塗装業者も少なくないように思われます。

広告

快適な暮らしをするなおススメ「見積りサイト」 
※お住まいのリフォーム最新情報

このエントリーをはてなブックマークに追加